NPO法人エコ・ギア 平成18年10月21日
植林と河川現況の一例 V
  調査・撮影 / 高野信男
目 次
 T: 1 植林地の現況(1)  /  2 植林地の現況(2)  /  3 良好な間伐林

 U: 4 自然林の渓流  /  5 植林地の渓流  /  6 佐渡良の大杉  /  7 風倒木とその根の状態
    8 風倒木(台風被害)  /  9 風倒木地の崩壊(強雨被害)


 V: 10 護岸工+水草自生河川  /  11 護岸工で固められた河川  /  12 三面張り河川
    13 河川の状況


 10 護岸工+水草自生河川

@ 両岸はコンクリート
 +土羽護岸であるが河
 川敷には草が自生し、
 魚の住処となる所もあ
 る。しかし、河川の流
 れは一定で瀞・淵・瀬
 等の変化はなく、住め
 る魚種は限られている。

A ブロック+土羽護岸
 河川は定規で描いた人
 工の流れである。この
 ため一見平静な流れに
 見えるが、河川にゆと
 りや緩みが無いため豪
 雨時の濁流は堤防の弱
 い部分を見つけると、
 そこを破壊して堤外へ
 溢流する。

B 頭首工
 農業用水取水部。
 その上下が魚の住処と
 なるが、構造によって
 は魚の遡上の障害とも
 なっている。

 11 護岸工で固められた河川

@ ブロック積護岸で固
 められ、水草と魚の住
 処が無いため、小魚が
 少々いるのみである。

A 床留段差工に魚道を
 設けているが、魚の姿
 は見られない。川幅は
 広いが自然の流れが無
 く魚の住処となる所が
 無いため、水中生物は
 住みにくそうである。

B コンクリート護岸工
 水を流すことのみを考
 えているため、水中生
 物の住処となる所はな
 い。降雨時には雨水は
 一気に流下し、下流の
 河川は満水となり堤防
 破壊の危険度が増す。
 一方、渇水時には減水
 ・枯渇しやすくなる。

 12 三面張り河川

@ 集落地を流れる河川
 はコンクリート三面張
 で水草も生えないため
 汚水は浄化されず、魚
 も住めない。

A ブロック積護岸とコ
 ンクリート張りで床固
 め段差工がある。虫や
 魚は住めず、降雨は一
 気に流下する。

B ブロック積護岸+コ
 ンクリート床で段差工
 が有る。
 水を流すことのみを考
 えているため、降雨は
 一気に流下し、平時は
 涸沢となっている。

C 三面張河川
 蒜山の圃場整備地の川
 と水路は全て三面張工
 となっているため、水
 中生物は住処が無く、
 その姿は見られない。
 一方、農地は荒地とな
 った所も多い。

D 三面張工と取水施設
 整備済み農地を流れる
 川はこのように三面張
 となり、虫や魚は姿を
 消している。

E U字型水路
 圃場整備地は全てコン
 クリート水路となって
 おり、水中生物の住め
 る環境はない。
 降雨は河川に向かって
 一気に流下する。

 13 河川の状況

@ 頭首工の下に淵があ
 り、魚の住処となって
 いる。また、魚の遡上は
 可能である。

A 頭首工直下に床固め
 コンクリートがあるた
 め、魚の遡上には障害
 となっている。

B コンクリートによる
 三面張工+段差工。
 魚の遡上は不可能であ
 り、水流生物も生息不
 可能にちかい。

C 蛇籠による頭首工
 水草も育成し、魚の住
 処となっている。

D 頭首工と水草
 蛇籠を川床に入れて水
 草を生やしている。川
 は清水が流れ、魚も多
 く生息している。

E 頭首工+階段工


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